スリット鉢とは兼弥産業株式会社が製造、販売している機能(スリット)を持ったプラスチック製の植木鉢です。
大地の根張りを鉢の中でも再現するために研究開発をした結果、植物の生育に理想的な環境を作るスリット鉢が完成しました。
植物の根巻き(サークリング現象)を防止し全体に根を張らせるため、用土の90%以上を有効活用することができ、植物の生育に大きな効果が見込めます。
スリット鉢のメリット
植物の生育に良い!
植木鉢を使用するとおきる、根のサークリング(ルーピング)現象を抑え、植物が健康に育つようにします。
花芽が増える!
根張りが良く効率よく栄養を吸収できるようになるため、花芽の数が増えてボリューム感アップ。一株でたくさんの花を楽しめるようになります。
花が長く楽しめる!
健康な根が張るため、環境の変化にも強くなり花を長く楽しめるようになります。
肥料・水・土の必要量が減る!
サークリングした根だと中央の土に根が張らないため、そこに蓄えられた肥料や水は植物に吸収されることなく流れ出てしまいます。
しかしスリット鉢で育った植物は用土全体に根を張っているため、土の中の水や栄養成分を無駄なく吸収してくれます。
根腐れしにくい!
従来の底穴のみの鉢では鉢底に水が溜まってしまい、根腐れを起こしてしまいます。
しかしスリット鉢なら側面のスリットから排水と通気をするため、鉢底に水が停滞することなく植物にとって良い環境になります。
軽くて丈夫!
植物を長く楽しむうえで大変なのが鉢の植替え作業。
土の重さ、植物の重さに加えて鉢まで重いと、その労力はかなりのもの。
スリット鉢はプラスチック製で軽くて丈夫なため、仮に落としてしまっても割れにくく、鉢上げ作業も楽になります。
鉢上げの頻度が減ります
用土の90%を活用できるスリット鉢なら植物の根が土全体にしっかりと張るため、鉢上げをする頻度や回数が減ります。
また根がサークリングしていないため、鉢上げのときに根を切ったりほぐしたりする必要もなく、鉢上げ後の活着も良くなります。
スリット鉢のデメリット
土の上に置くと根付いてしまう
従来の鉢でも同じことが起きますが、土の上に鉢を置いておくとスリットの穴と地面のあいだに空気や光が入らないため、そのまま外の土にまで根が張ってしまいます。
植物の生育に抜群の効果を発揮するスリット鉢だからこそ根張りが良すぎて動かせなくなってしまうこともあるため、土の上にそのまま置かないよう、お気をつけください。
水はけの良すぎる土とは相性が悪い
排水性に特化しすぎた土はスリット鉢に向いていません。
そういった排水性特化の土を入れると想定されているよりも乾きすぎてしまい、水やりの頻度を上げなければならなくなったり、植物の生育に悪影響を及ぼすことがあります。
そのためスリット鉢を使うときは適度に水を持つ土であったり、市販の土をご利用いただくのがオススメです。
鉢底石って必要ですか?
「スリットから土がこぼれてしまうため鉢底石を入れたい」
そういったお話をよくおうかがいします。
しかしながらスリット鉢には鉢底石を入れないようにお願いしています。
なぜスリット鉢に鉢底石を入れないほうが良いかというと……
・スリット鉢の機能が失われてしまう。
・スリット鉢は排水性や通気性に優れているため入れる必要がない。
・鉢底石自体に根が張らないので、植物にとって良い環境ではない。
といった理由があります。
またスリットから土が出てきてしまうという方は最初だけご辛抱ください。
しばらくスリット鉢で育てていくと、そのうち根が土をキャッチしてこぼれることがなくなっていきます。
鉢底にネットを敷いてもいいですか?
鉢底石と同じくスリット鉢の機能が発揮されなくなるため、ネットについても兼弥産業では推奨しておりません。
特にネットの場合は繊維が水が保持してスリットを防いでしまうことが多々あります。ご注意ください。
外鉢(化粧鉢)って使っても大丈夫?
化粧鉢、外鉢を使うとスリット鉢の効果は落ちてしまうため、推奨はしていません。
スリットを防ぐように外鉢があると商品によっては外鉢とスリット鉢のあいだが真空状態になり、光や空気がスリットから中に入らなくなってしまうため中の環境を悪化させてしまいます。
そのため外鉢を使うときは、たまに外鉢から植物を出してあげて、しっかりと光と空気を当ててあげる時間を作ることをオススメします。
スリットから雑草が生えてきたけど抜いて大丈夫?
スリットの穴は空気と触れているため外から種が飛んできたりして、雑草が生えてしまうことがあります。こちらは抜いていただけるようお願いいたします。
また子株で増える植物はスリットから子株が出てきてしまうこともありますが、こちらは取ってしまって問題ありません。
スリットから根が出てきた!
スリットから根が出てきてしまった場合にはいくつかの理由が考えられます。
よくある理由といたしましては
・スリットの周辺が暗い。
・鉢底と水や土が接地してしまっている。
・アンスリウムなど根が強い植物
・光や空気で根の成長が止まらない種類の植物。
などがあります。
そのため、根がでてきてしまった場合は周囲に影になるものがなく、鉢底と地面が設置していない場所に鉢を置いてあげるのがオススメ。
外ならレンガの上や網目状の台座の上に置いてあげると理想的です。
もともと植木鉢といえば陶器の素焼き鉢が一般的でした。
この素焼き鉢は「重くて、簡単に割れてしまう」「流通に適してない」などといった欠点がありました。
そこで「軽くて割れにくく価格も安い」プラスチック製の鉢が登場したのですが……。
これまでの素焼き鉢と同じような形状のプラスチック鉢では、通気性その他の問題から植物の生育に良くないことがわかったのです。
そのためプラスチック鉢メーカーや植物の生産者さんは通気性の良い用土を作ったり、鉢底石を多めに入れるようにしたり鉢底の穴を工夫したりと、プラスチック鉢でも植物を育てられるよう創意工夫を始めました。
兼弥産業も同じように植物の生産者さんと意見を交わしながら、いかに植物にとってよい環境をプラスチック鉢の中で作り出すか研究開発をし
1997年についに完成したものが大地の根張りを鉢の中で再現する兼弥産業の「スリット鉢」です。
今では世界中のお客様にスリット鉢の良さを知っていただき、ご愛用いただいております。
兼弥産業のスリット鉢、ぜひご利用くださいませ。
類似品にご注意ください
兼弥産業株式会社がスリット鉢の販売を始めてから20年以上。これまでにさまざまな細かい改良を加えてきました。
弊社の商品を真似た他社製品で、同じようにスリット鉢の効果が得られるかは弊社では分かりません。
兼弥産業株式会社が製造するスリット鉢の裏面には「KANEYA」と刻印がありますので、鉢底を確認してからのご購入をお願いいたします
カーメン君の解説動画
スリット鉢のラインナップ
CSMシリーズはスリット鉢の元祖でありスタンダートモデル。
園芸店さんやホームセンターさんでは「とんでもないポット」という名前で販売されていることも。
樹木用として開発されたSlitGarden、寄せ植えやバンキング用途で使えるUSH、四角で収納に便利なEGシリーズ